獣医皮膚科専門医が解説!自宅でもサロンでも活かせる効果的なシャンプーのやり方

2021年07月26日

シャンプー療法の心構え

【シャンプー療法の心構え】
ご自宅でシャンプー療法を実施する場合は、わんちゃんになるべく負担がかからないように実施することを心がけましょう。
さまざまなお役立ちアイテムを取り入れると安全かつ効率的に実施できます。

【準備するもの】
① ベビーバス(ランドリーバスケットでも可)
② 滑り防止マット
③ 桶
④ スポンジ
⑤ 泡立てネット
⑥ タオル
⑦ スヌード
⑧ 保湿剤
⑨ シャンプー剤

【ポイント】
ご自宅でのシャンプーは、お風呂場や洗面台などを使用すると思いますが、ハンドリングがうまくできなかったり、足場が不安定な場所では関節トラブルの原因になることがあります。

ベビーバスや滑り止めマットを使用するなどして、思わぬトラブルが起きないように、まずは適切に洗える環境を整えるようにしましょう。

1. ブラッシング

はじめに、やわらかいブラシを用いて毛の流れに沿ってブラッシングします。
トイ・プードルやシー・ズーなどの長毛で柔らかい毛質の犬種は、毛玉ができやすいので、定期的にトリミングサロンや動物病院でのブラッシングを行うようにしましょう。

毛流に沿ってやさしくブラッシングします。

【ポイント】
犬のブラッシングに使用するブラシは、さまざまなものが発売されています。
できるだけ使いやすいもの、皮膚や被毛に負担をかけないものを選ぶようにしましょう。

トリミングサロンでよく使用されているスリッカーは、被毛を伸ばすためのブラシなので、使う際はテクニックが必要です。

うまく使えないと皮膚に刺激を与えてしまうこともあるため、皮膚に負担が少ない、玉つきスリッカー、ウェットブラシ、ピンブラシ、ラバーブラシなどを使用することが推奨されます。
それぞれのブラシは、ピンのやわらかさや長さが異なります。

左から「ウェットブラシ」、「ピンブラシ」、「ラバーブラシ」

2. 体全体をぬるま湯でぬらす

お湯の温度は35℃前後が目安です。冬場で寒がる場合は、湯の温度を調整したり、部屋の室温を上げたりして工夫してください。
シャワーヘッドを体に接着させながらすすぐと、犬が嫌がらずに全身をぬらすことができます。
嫌がる場合は無理をせず、足先だけをぬらしたり、まずは水に慣れさせてから体全体をぬらすようにしましょう。

【ポイント①】
水を嫌がる子や、シャワー音や水圧が苦手な子は、ベビーバスにお湯を溜めてから体をお湯につけてあげると、うまく全身をぬらすことができます。

【ポイント②】
皮膚や被毛のべたつきが多い場合は、クレンジングオイルを使用すると効果的です。クレンジングオイルは、シャンプーだけで皮脂や汚れを除去するのが難しい場合に、シャンプーの前に使用します。クレンジング剤は皮膚に残留するため、単独で用いられることは少なく使用後の拭き取りや追加洗浄(ダブル洗浄)で用いられることが一般的です。

通常の使用方法としては、皮膚や被毛を水でぬらす前にクレンジングオイルを塗布し、その後はいつも通りのシャンプーで洗浄を行います。

最近では水にぬらしても使用できるクレンジングシャンプーも購入できます。一方で、クレンジングは脂を落とし過ぎてしまうというデメリットもありますので、皮膚の状態に応じて使用することが重要です。

3. シャンプー 

シャンプー剤はスポンジなどを用いてよく泡立て、きめ細かい泡をつくります。
泡は手に乗せて逆さまにした時、落ちないくらいの固さのものにします。
スポンジや泡立てネットなどを用いると簡単に泡をつくることができます。

泡をやさしく体全体に乗せ、皮膚や被毛に付着させます。
泡を3~5分程度つけ置きするとさらに効果的です。

①泡立てるためのスポンジや泡立てネットと器(洗面器など)を用意します。

②シャンプーをスポンジにつけます。

③器にスポンジを入れ、シャワーでお湯を入れます。

➃よくかき混ぜて泡をつくります。

⑤泡立てたシャンプー剤を体に乗せていきます。

⑥泡をやさしく体全体に乗せ、マッサージするように皮膚や被毛に付着させます。

【ポイント】
皮膚への負担を軽減し、効果的に洗浄するためには、よく泡立てた泡を皮膚や被毛に接触させることが肝要です。

効率的な泡立てには、スポンジ、泡立てネット、泡立て器、ミキサージューサー、ペットボトルなどを活用すると効果的です。

ポンプをプッシュすると泡状でシャンプー剤が出てくる、泡形状式ポンプのシャンプー剤(AFLOAT VET 低刺激シャンプー、ヒノケア®for プロフェッショナルズなど)も発売されています。

▼ 「AFLOAT VET 低刺激シャンプー」の製品詳細・ご購入はこちらから
https://www.qix.co.jp/products/pem0527

4. シャンプーをすすぐ

体に付着させたシャンプーの泡をすすぎます。
ぬめぬめとした感触が消えるまで洗い流してください。

顔をすすぐ時は、手のひらに乗せたお湯をやさしくかけたり、お湯を含ませたスポンジをしぼったりすると、嫌がらずにすすぐことができます。
水が顔にかかるのが苦手な場合は、無理にすすがないように注意をしてください。

①すすぎは、ぬめぬめとした感触が消えるまで洗い流します。

②顔は手のひらにのせた水をやさしくかけたり、水を含ませたスポンジをしぼったりすると嫌がらせずにできます。

③水が顔にかかるのが苦手な場合は無理をしないように注意してください。

5. 保湿

シャンプーした後の皮膚は乾燥するので、水分を補充するために保湿剤を使用します。

保湿剤はいわゆる美容液のような役目を果たしますが、保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸、リピジュア、アミノ酸、尿酸など)が含まれています。

ローション、スプレー、スポットオン、フォーム、ジェルなどさまざまなタイプの保湿剤がありますので、使用しやすいタイプの製剤を使うと良いでしょう。

たとえば、被毛部はスプレー、腹部はフォーム、肉球はジェルといったように、使用感、部位によって使い分けるとさらに効果的です。

特にスポットオンタイプは濃度が濃く、徐放作用があるため1週間に1回のケアとして用いるなども有用です。

①桶に適量の保湿剤を入れます。

②希釈のためのお湯を入れます。

③シャンプー剤をしっかり流しきった後に保湿剤をつけるようにしましょう。

※スプレータイプやピペットタイプの保湿剤もあります。

▼ 保湿製品の選び方・ご購入はこちらから
https://www.qix.co.jp/posts/357

6. 乾かす

ドライヤーとタオルを用いて、被毛を乾かします。
顔周りはやさしく撫でるようにタオルで拭き、特に脇の下、鼠径部、耳の後ろなどの毛玉になりやすい部分は、
ブラッシングしながら乾かすようにしてください。

ドライヤーの音や風圧に敏感な子の場合は、風圧を調整したり、耳にスヌードを付けるなどしながら行ってください。

また、夏場は熱中症の危険もあるので、室温を涼しくするなどの工夫をすると良いでしょう。

① 保湿剤をつけたらタオルドライします。

② 顔周りは特にやさしく撫でるように拭きます。

③ タオルで拭きにくい部分は、キッチンペーパーなどを使用しても水分をとることができます。

➃ 顔を拭いたら、吸水性のよいタオルでやさしく全身を包み込むように、体全体を拭きます。
ペットシーツの吸水シートを利用しても効率的に拭くことができます。

⑤ タオルでおおよその水分をとったら、ドライヤーとブラシを用いて乾かします。

◎ ドライヤー音などに敏感な子は、スヌードの着用もおすすめです。

【ポイント1】
マイクロファイバー入りタオル、スイムタオル、スヌード、ペットシーツ、キッチンペーパーなどを活用すると、短時間で効率的に乾かすことができます。

【ポイント2】
シャンプー療法実施後に赤くなる、痒くなる、フケができるなどのトラブルが起きた場合は、シャンプーが合っていない、あるいはシャンプーの方法が間違っている可能性が考えられます。そのような場合は、獣医師にご相談ください。


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https://www.qix.co.jp/products/categories/4/salling_places/10

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